春待ち
誰かに呼ばれた気がして
フと振り向いた そこには
まだ冷たい風の中で
春の訪れを待つ桜の枝が
微かに揺れていた
尾根から吹き下ろす厳しい木枯らしから
幼子を守る母のように…
…そうか
今 私は母の声を聞いたのか
振り向いて自然に笑顔になる
一歩踏み出す背中を押されたような気がして
春になったら 花が咲いたら
今度は笑顔で
また来るね
母さま
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過去詩/創作