願い
あなたが言葉少なに紡ぐ想いが
私の心の底にコトンと落ちて
乾いた土に雨がもたらされるように
奥深く広く染み透っていく
時おり なだめる手を出そうとしては引っ込める を繰り返し
行き場に困って途方に暮れるその手が ようやく
ポンポンと赤子をあやすように 不器用に私の肩を包む
なんの柵も無いのならば 心に枷を架けなくていい
できない理由探して言い訳するよりも
ただその一歩を踏み出すだけでいい
不安も恐れも感じなくていい
己の心を信じるだけでいい
穏やかで温かな風が吹くように
かけがえの無い日々の大切さを 気づかせてくれた
通りすがりにすれ違う 瞬間
この道が ずっと交わることがないとわかっても
暫し 立ち止まる事に 躊躇う事なく
想いのままを せめて伝えたい
そして
この目の届かないところへ あなたが向かう日が
願わくは
できるだけ遠い日であることを ただ
…祈る