心・ご恩送り

数年前　山陰の方面へ ある方のお見舞いに伺った

私の恩師でもあるその方が退職後に引っ越された地

これほどまでお身体が悪いとは思いもせずの訪問だった

「どうしてあげれば良いのかと思案するばかりで

あなたが苦しい時 何もお役に立てなくてごめんなさい」

その方は

私の手を握りしめて　忌の際まで何度も誤り続けて下さった

何という事…….   何を仰るのやら

いつもいつもそのお心遣いにどれほど力を頂いた事か…

貴方のお言葉でどれだけ　己の弱い心をこの命を繋げられたか知れない

人が生きるに必要なのは　金銭や物だけではない。

人には「心」が折れそうな瞬間が 一度や二度はある

どんなにしっかりと生きようとしても

どうしようもなくなる瞬間がある

他から見れば　弱いと言えば弱いのだろうが…

そんな己のことを案じて下さる誰かがいる事

それはまるで　暗闇に差し込む光のようで

私は そのおかげで　闇に引き込まれる事なく

今を生きることができている

このご夫人含むたくさんの方に支えられての今があるのだと

魂の底から感謝してもしきれない

世には　

誰もが知り　誰もが使う「ご恩返し」という言葉があるが　

それは もう故人には返す事はできないと思っていた

ある時 何かの文献から「ご恩送り」という言葉を聞いた

誰かから頂いた「ご恩」を その心遣いを　

今 自分の目の前で苦しむ人へと

押し付けず さりげなく 寄り添い見守る事　心の糧となる事

頂いたご恩、慈しみの糸を繰るように伝え 繋げていく事

それは　何にも勝る感謝の心🙏

一片(ひとひら)の想いがあれば 誰にも誰にでも出来る事

今日も有難うの心をこめて　貴方からの想いを繋げます

2021.8.14  「 ご恩送り:こころをつなぐ」過去作再掲載

ーーーどの宗教にも属しておりませんーーー